ブキャナン選手はスタンドで見守っていたアシュリー夫人、長男ブラッドリーくんに勝利の報告をした。生後10ヵ月のブラッドリーくんにはまだ理解できないようだ。

私は彼に聞いた。「家族なの?」ブキャナンはイエスのノーもなくこう話した。「家族をグランドに連れてきたい・・・」

残念ながらヤクルト担当でない私にはどう手順を踏んだら彼の願いが叶えられるのか分からなかった。

ヒーローインタビューで男泣きするブキャナン。この時「やばい!泣いちゃった!」というのが正直な私の感想だった。 ブキャナンはクラブハウスで家族と会うことができた。その後・・・彼は自分の判断で家族をグラウンドに連れて行きスタンドに鳴り響く「東京音頭」を聞かせた。

そうか、彼が家族をグラウンドに下ろしたいという希望はこれだったのか・・・。私はこの時理解した。

ヤクルトファンのみんな!!息子のブラッドリーだよ!!みんなの仲間だよ!!ブキャナンはきっとそう心の中でつぶやいていたに違いない。そして息子にこのスタンドの光景をひと目見せたかったのだろうと思った。

家族への愛

野球への愛

そしてヤクルトへの愛

グラウンドでの記念撮影をお願いする時、私はストロボのスイッチを切った。ストロボ光は家族水入らずの時間を邪魔するアイテムに思えた。私はちょっと泣きそうになっていた。